男女の関係や親子間でよく勃発する問題の一つに
「言わなくても分かるでしょ」VS「言ってくれなきゃ分からないよ!」問題があると思うのです。
たとえば、家に帰ってから翌日の朝食の食パンを切らしていることにきづいたあなた。
夫にLINEをして、仕事帰りにコンビニで食パンを買ってきてもらうようお願いしました。
夫も快くOKをしてくれ、一安心。
でも、事件はここからはじまりました。
夫が買ってきた食パンが「いつもの食パンじゃない」
しかもちょっと、お高い食パンを買ってきたのです。
カチーンとくるあなた。
「これ、なんなのよ!」
「え?頼まれた食パンを買ってきたんだけど」
「いつもの食パンじゃないじゃん。どうしていつもの買ってきてくれないわけ?」
「え?そんなの知らないよ。だったら、商品名まで言ってくれないと分からないって。せっかく買ってきたのになんだよ!」
「そんなの、言わなくたって分かるでしょ!? 」
平行線のぶつかり合いよりも、本質を見る大切さ
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
カウンセリングサービス 心理カウンセラー服部希美です。
今日は、年末年始に勃発しやすそうな
(親戚や家族が集まると、こういうこと起きやすかったりしますよね)
すれ違いの心理を紐解いてみたいと思います。
*
こういったすれ違いにおいて
「自分の方が正しい」といった正論で言い合っても
・・・平行線のままのことって多かったりしませんか?
「いつも食べているんだから、考えたら分かるでしょ?」
「そこまで言ってくれなきゃ分からないよ!」
そして、こんなことが続くと、どんどん気持ちもすれ違ってしまったりするのですよね・・。
「なんか、私ばっかりが頑張っているような気がして虚しい・・」
「結局、なにやったって怒られるんだろ。もう手伝いたくもない・・」
どうしてそんな気持ちに陥るのか。
それは、2人が本当は互いのことを「大切にしたい」と感じているから、だと思うのです。
彼にとって、喜びの存在になれているのかな?
彼女にとって、自分は役に立てているのかな?
こんなふうにすれ違ってしまうということは、自分じゃ役不足ってことなのかな・・。
でもですね。
この「言わなくてもわかって欲しい」VS「言わなきゃ分からない」という戦いの奥には
それぞれなりの愛が眠っていることが多いのですね。
ですから、こういう場合は「相手の言い分」にも少し耳を傾けて
歩み寄ってみるといいかもしれませんよ。
言わなくても分かるでしょう?と感じやすい人へのおすすめ
「パートナーと自分は別々の人間だ」ということを再確認することで、相手に愛を与え受け取る
私たちはつい、近ければ近いほど「自分と相手の境界線」が分からなくなりがちです。
つまり「私の考えていることや、やって欲しいことは、言わなくてもわかってもらえて当たり前」だと感じやすくなるのですね。
たとえば、あなたが子供の頃。こんなことを感じたことってありませんでしたか?
「お母さんは私のこと、ぜんぜん分かってない!」
「なんで分かってくれないの!」
この心理には「お母さんは私の気持ちがわかって当たり前」という前提があるのですが
これは私たちみんなが赤ちゃんの頃に持っていた感覚からきていることが多いといわれているのですね。
私たちは赤ちゃんの頃、わんわん泣くだけで自分の意思を汲み取ってもらえていましたよね。
おっぱいを飲ませてもらったり、抱きしめてもらったり・・
「言葉にしなくても、お母さんには自分の気持ちが伝わる=いつでも愛されている」という経験をたくさん重ね
健全な愛着を育てていったりするのです。
ですが、成長するにつれ要求も複雑になりますし、
赤ちゃんの時のように、子供の要求に答え続けるというのは無理なわけです。
お母さんにはお母さんの人生、事情がありますからね。
そんな中、いろいろな経験を重ね
「私とお母さんは別々の人間であり、相手にも事情がある。」
「自分の要求に答えてくれなくても、相手は愛情を持ってくれている」
「ちゃんと言葉にしないと気持ちは伝わらないのだ」と学び、お母さんから自立をしていくのですが、
この感覚が残っているとね、どうしても相手に期待しちゃったりするのですよね。
近い距離であればあるほど
「私のことを愛してくれているのなら、このぐらいのこと、わかってくれるでしょ?!」って。
もちろんね、察しの良い方というのも世の中にはたくさんいらっしゃいます。
1から10まで説明しないでも伝わる人というのもいると思うのです。
そしてきっと、ここで腹が立つ!方は察しの良い方、気遣いのできる方なのだと思うのです。
それはとってもとっても素晴らしいこと!あなたが悪いわけではありませんね。
ですがもし、あなたの大切な人が「ちゃんと説明をして欲しい」人だったとしたら・・
すこし「与えるという視点」に切り替えるのも大事なのかもしれません。
「相手に伝わるように、伝えてみよう」と思ってみること。
そして、
「自分の気持ちが伝わらなかったのは、相手に愛情がないわけではなくて
ただ、うまく伝わらなかっただけだったのかもしれないな」
これだけでも、次からのコミュニケーションが変わってくることが多いですよ^^
相手の気持ちを大事にしたい。
相手の気持ちをできるだけ察してあげたいとおもう優しい方ほど
「私が思うほど、相手は私のことを大事に思っていないのかな」と誤解しちゃいがちですね。
むしろ逆のことが多いみたいですよ。
あなたの優しさが上手に伝わるといいですね。
言ってくれなきゃ分からないでしょ、と感じやすい人へのおすすめ
あなたが「言わなくても分かっているだろう」と伝えていない思いを再確認することで、相手に愛を与え受け取る
さきほど書きましたように、私たちは別々の人間ですから「言葉」というコミュニケーションは必要です。
その分「自分は間違ったこと言ってない」「自分勝手だな」と怒りを感じやすいと思うのです。が、
良好なパートナーシップを築きたいと思うときには、相手の気持ちにも歩み寄るということが大事なことだったりしますね。
たとえば、こういうときに感じる怒りの根っこには「分かってもらいたかった」という悲しみが眠っています。
パートナーは、お買い物を間違えたこと自体を怒っているのではなくて「あなたに気持ちが伝わらなかった」ということが悲しい。
「あなたにとって私は、それだけの存在なのかな」「私だけが、あなたのことを好きなのかな」と
心細さを感じているのかもしれない、ということを頭の片隅にいれておくといいと思うのです。
そして、こういう状況に陥っている裏で起きている本当の問題に目を向けてみましょう。
それは、あなた自身も「言わなくても分かっているだろう」と言葉にしていないことがありませんか?ということです。
たとえば、パートナーへの日頃の感謝とか。
どれだけパートナーを愛しているのかとか。大事に思っているのかとか。
ちゃんと日頃から言葉にして、相手に伝わる形で伝えていますか?
実は、普段のコミュニケーションの中で
あなたが相手のことを大切に思っているということが十分に伝わっていたならば
相手の気持ちを上手に察することができないことがあったとしても
「あなたにとって私は、それだけの存在なのかな」と心細さを感じさせることは少なくなるのです。
たとえパートナーが「言わなくてもわかって欲しい」と思っていたとしても
それですれ違ってしまったとしても
「でも、あの人のことだから、私のことをわかろうとしてくれているんだろうな」と思えたりもするのですね。
あ、調子の良いことを言って
パートナーのご機嫌をとりましょうとお伝えしているわけではありませんよ!
あなたがパートナーに怒られて嫌な気持ちになるのは、
あなたがパートナーを愛しているから、ですよね。
あなたのその愛・・ちゃんと言葉にして伝えてあげませんか?ということですね^^
パートナーのお役に立ちたいと思っていること。
自分にとって、そのぐらい大事な存在なのだということ。
とっても恥ずかしいかもしれませんが、
あなたがリーダーシップを取り「愛あるコミュニケーション」を取ることができるようなると
パートナーの伝え方もちょっとづつ変わってきたり、あなた自身の受け取り方も変わってくるかもしれませんよ。
そして「言わなくてもわかって欲しい」と思いやすい人というのは、
あなたの言葉にしない気持ちを察して、先回りし、心配りしていることも多いものです。
パートナーからの愛で、自分が気づいていないものはないかな?
そんな視点で日常を見てみると、見える景色も変わるかもしれませんね。
パートナーシップにおける喧嘩は、お互いの絆をより深めるために。
「言わなくても分かるでしょ」VS「言ってくれなきゃ分からないよ!」問題は
表面的に見れば、ニーズのぶつけ合いに見えてしまうかもしれませんが・・
心の奥を覗いてみると、お互いを思う愛から喧嘩に勃発していることも多いのですよ。
よかったら「あなたから」お試しいただけたらなと思います。
いままでの怒りが大きすぎて、怒りをぶつけてしまいそう・・
分かっているけれど、気持ちがついていきません・・
正論でつい戦ってしまう・・そんなときには、どうぞカウンセリングもご活用くださいね^^
あなたの中の愛に気づき、パートナーからの愛も受け取れますように。
応援していますよ。
参考になれば幸いです。