いつもお読みいただき、ありがとうございます。
カウンセリングサービス 服部希美です。
今日は、リーダーシップの心理学。
職場などで人をまとめるリーダーポジションなどでご活動されている方をはじめ
仕事で責任ある立場を任されると、
やりがいなども増えますが、自分以外のメンバーのミスや失敗の対応を求められることも増えますよね。
再発をどう防ぐか、どうやって起きそうなミスを未然に防いでいくのか・・
どんな職場であっても、とても悩ましい問題ではないかと思います。
今日は、現場をまとめるリーダーとして、
こういった「失敗やミス」に対して、
どのような視点を持って取り組んでいくといいのか、心理学の観点からひとつのものの見方をご紹介します。
たとえば、部下に商品の発注を任せていたのに、
納品日を間違え、必要な日に商品が届かないことが判明したとしましょう。
このとき、みなさんはどんなことを感じるでしょうか?
「なんて、いい加減なやつなんだ」
「仕事にやる気がないから、こんなミスをするんだ」
「あいつは出来ないやつだな」
など、ミスをした原因を「部下の能力や性格のせい」だと感じるクセはありませんでしょうか・・?
そして、ミスや失敗をした部下に注意を促すだけでトラブル対応が終わっている、ということはありませんか?
こんなことを書いている私自身も、昔、そう感じていた時期がありました。
ときには、ミスや失敗をした人に「もっとしっかりしてよ!」なんて、厳しく当たってしまったことも・・。
ですが、そうやって注意を促した直後はミスは減ったりもするのですが、また、同じことが繰り返されてしまったのです。
そこで、よくよく現場に話を聞いてみたところ、
誰がやっても間違えやすいような難しい方法でやっていたことが判明し、
やり方自体を改善することでミスがなくなったということがありました。
つまり、ミスをした人の能力ややる気ではなくて「方法」に問題があったわけですね。
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心理学では、私たちが、ついしてしまうものの見方のひとつに
「内的帰属」というものがあると言われています。
「内的帰属」というのは
「行動の結果は、その人の内面(能力や性格など)に原因がある」と思ってしまう心理をいいます。
私の例のように、ミスの原因は、日々の業務が忙しすぎて余裕がなかったからかもしれませんし、
納品を依頼する伝票が分かりづらい構成になっているからかもしれません。
部下が業務内容をしっかりと把握できていないのかもしれませんし、
伝え方が悪くて伝達ミスが起きていたのかもしれません。
もしかすると、協力体制がうまく構築できておらず、
担当者ひとり仕事を抱え込んでしまっているのかもしれません。
また、いろいろな細かい原因が重なった結果、起きてしまったミスかもしれません。
そして、たとえミスをしたとしても、
二重チェックをするシステムになっていたら、大ごとになる前に防ぐことができたかもしれませんね。
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こんなふうに「ミスが起きた原因」はいろいろ考えられるわけですが・・
私たちはついつい、人の行動の原因を探すとき「相手の能力や性格だけのせい」にし、
環境や状況などを過小に評価してしまいがちになると言われているのですね。
つい無意識にやってしまうことではあるのですが
「ミスを能力や性格などのせいだけ」にしてしまうと、人に仕事を任せにくくなってしまうでしょうし
「あの人が変わらないとうまくいかない」と、手詰まり感を感じやすくなりますよね。
また、本当の原因を改善しているわけではないため、
同じミスを繰り返してしまいかねませんから、
ミスや失敗がおきたとき、とくに繰り返し起きている時には、少し意識をして
「状況や環境(外的な要因)」にも目を向けることが、解決への糸口になることも多いのですね。
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また、環境や状況に目を向けるということは、
ミスや失敗をした人と同じ目線で考えてみるということでもあります。
手痛いミスや失敗をしてしまったときに
「自分の立場になって考えてくれるリーダー」は心強いものです。
周囲からも信頼もされるでしょうし、
そういった精神的なつながりが、次のミスを防ぐことも多かったりするようですよ。
もちろん本人に注意を促すことも大切なことではあるのですが、
もしも同じようなミスが繰り返されているとしたら・・すこし意識をして、視点を変えてみてくださいね。
きっと、リーダーであるあなただからこそ、気づくことができる。
変えていくことができる状況や環境も、あると思いますからね。
参考になれば幸いです。